報恩感謝ばらの幼稚園 園長 楠 邦江 2023.09.01

たくさんの人達、自然、歴史や物事の支え、
恵みによって私達一人ひとりはこの世に生きることができています。
その無数の支え、恵みに対する「おかげさま」を自覚する心、
それが 「恩」 です。
おかげさまに対して自分のできることをして、
人の為にお返ししたいという感謝の表れが
「報恩感謝」 という行動です。
そしてそれは、軍に誰か一人の恩に対して
報いるだけにとどまることなく、私が頂いたお支えは
同時にたくさんの人々や自然・物事に対する恩へと、
繋がっていることを思えば、
そこに感謝の広がりが生まれてくるのだと思います。

つまり、誰か一人のおかげということはありえないということです。


ありがとうの心で、様々な恩に報いていく、
いわば恩返しは 「ありがとうの広がり・つながり」 になっていくことが、
本来であり、自然な形ではないでしょうか。

SDGs には17の目標が掲げられています。
その2番目は 「飢餓をゼロに」 です。
私達は他の命を頂き、食べて生きてきました。
日本は資源が少ないので、他の国からも食べ物のもとを頂いて生きてきました。
そのおかげで、一人ひとりが飢えることなく生きることができています。

このことを当たり前と思わず
「自然や生き物や他国からの恵み ・ つながり」 と考えるのならば、
これは同時に世界で国の中で飢えている人を
見すごしてはいられないという心にも、繋がっていくのではないでしょうか。

食べることで自分の命を維持させて頂いた
その命のバトンは次へとつないでいかねばならない。
ありがとうの広がりとつながりが大事なのです。
それが、今の私達が感じ取り、実施していかねばならない
「 報恩感謝 」 ではないでしょうか。

仏教保育では、保育者も子ども達も、保護者も
「おかげさま」 の報恩感謝の心で支え合い、
繋がり合っていることを、いつも心の中に留めておくことが
大切だと考えます。